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  オゾン層がなくなるとどうなるの? また再生できるの?


理科年表 2022

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 46 億年前に形成された地球に初めて生命が誕生したのは、約 35 億年前といわれている。それは海の中であった。そしてその生命が陸上に進出したのは、それから実に 30 億年以上も経た、今から約 4 億年前のことである。熱い火の玉として誕生し、とても生命など住める環境でなかった期間も含めて 10 億年で生命が発生したのに、またいったん水から上がった生命が 4 億年でこれだけの大進化を遂げているのに、水中から上がるだけで 30 億年かかったのはいかにも遅い気がする。


 水から上がれなかった理由の 1 つは、有害紫外線のせいである。地球の生命の基本である核酸は、波長 0.25 〜 0.27 μm の紫外線を浴びると破壊されてしまう。地球が誕生してから 40 億年の間、この有害な紫外線が地表に降り注いでいた。この紫外線を防げたのは、深さ 10 m 以上の水中だけであった。しかし水中の生物、とくに大量のラン藻類が長期間にわたって酸素を出し続けて、まず水中に、続いて大気中にと次第に酸素を蓄積していった。そしてついに成層圏にオゾン 酸素原子 3 個でできた気体層が形成され、紫外線がオゾンに吸収されて地表まで届かなくなったので、生命にとってやっと水から出て陸へ上がる環境が整えられた。



 さてオゾン層がなくなるとどうなるか? 最悪のシナリオとして、フロンの放出が続きオゾンが完全になくなったとする。有害紫外線のため陸上の生命はすべて死滅するが、人類もいなくなるのでフロンの放出は止まる。大気中には酸素が残っているので、再びオゾン層が形成されるのに今度は何十億年もかかることにはならない。地上の植物に壊滅的な打撃を与えるほどオゾンが減少しないうちにフロンの放出を止めれば、オゾン層の回復は比較的早いと思われるが、それでも数十年以上かかると考えられている。

【山内豊太郎(2006年11月)】


【 参考文献 】
嶋村克 ・ 山内豊太郎 :天気の不思議がわかる本 』、廣済堂2002 )