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 一般廃棄物の発生量
環境部 「一般廃棄物の発生量」より
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理科年表 2022

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 日本の家庭から発生するごみを中心とする一般廃棄物の発生量の推移は、 1985 年前後から大きく増加し、 1990 年から微増傾向が続く高止まり推移となっています 図 1、理科年表平成 18 年版「一般廃棄物の発生量」、p.985 参照 )。一般廃棄物の総排出量は約 5000 万トン2003 年の年間発生量) で、 1 人 1 日あたりに換算すると、約 1.1 kg/人・日となります。過去からの経緯をみれば、 1980 年の 4400 万トンから 1990 年には 5000 万トンに増加し、その後 2003 年に至るまで 5200 万トン前後でほぼ変化がないという状況なのです。 1980 年代後半から 1990 年に至る経済成長バブル経済と呼ばれてきました において大量生産、大量消費、大量廃棄の社会経済システムが形成され、それ以降の経済停滞期においても大量のごみが排出されてきました。その背景には、環境問題やごみ問題に対する社会の関心はあるものの、便利 ・ 簡単消費志向が定着するライフスタイルとなってきたこと、少子・核家族化による人口減少が起こっている反面で世帯数が増加していること、都市型のライフスタイルが一般化したことでごみの自家処理の機会が消失したこと、 OA 化の進展により紙ごみが増加したことなどにより、 20 世紀後半の廃棄物排出量は増加し続けたといえます。そして、リサイクルの努力により、その成果があがりつつあるものの、生ごみや廃プラスチックなどの発生量が減らないことなどの理由で、 21 世紀初頭は、なお「ごみ発生量の高止まり」の状況となっているようです。そして、この傾向は、日本のどの都市でも大きな差はないようです。

図 1 全国のごみ総排出量と 1 人あたりの排出原単位の推移


 ごみのゆくえとして、リサイクルの状況と最終処分の状況をみれば、リサイクル率は、各種のリサイクル制度の活用や地域における集団回収により毎年、増加しており、 2003 年では 15 % 前後まで上昇してきています。リサイクルを円滑に行なうためには分別収集が有効ですが、どの程度の分別を行なうかは市町村により異なります。多くの市町村では、焼却処理を行なう可燃ごみと埋め立て処分を行なう不燃ごみを中心に分別しています。資源ごみとしては、ビン、缶、ペットボトル等を分別しており、資源ごみの分別程度に応じて、 20 種類を超える分別を行なっているところもあります。 5 〜 10 種類の分別を行なっている市町村が 50 % 程度市町村数ベース と最も多い状況です。最終処分量は、リサイクル率とは逆に毎年、低減を続けています。従来、埋め立てられていた容器包装類のリサイクル化や、粗大ごみの多くを占めていた廃家電製品の事業者回収制度によるところが大きいと考えられますが、近年では焼却残渣の溶融スラグ化によるリサイクルも行なわれてきています。しかしながら、新たな最終処分場の確保はいぜんとして困難である都市が多く、循環型社会形成を求める遠因でもあるのです。

【酒井伸一 京都大学環境保全センター(2006年11月)】